束の間の休息

温泉街

親戚が温泉旅行に連れて行ってくれた。

慌ただしくしているときは辛さを感じないけれど,のんびりしてしまうと感情がわき上がってくるような気がして,少し怖くもあった。

しかし,結論としては杞憂だった。

のんびりと温泉につかって,ご飯を食べて,ひたすら寝る・・・心身ともにリフレッシュできた。

親戚は,私が小さい頃から子供のようにかわいがってくれて,つらいことがあると,いつも陰から支えてくれた。

夜,その親戚のお兄さんの話をしてくれた。

その方は,ものすごい努力家だったらしい。

学部は違うが,私と同じ大学・大学院に進み,卒業の年の夏休みに,最後の休みだからと海に遊びに行ったとのこと。

その時には,内定先が決まり,海外の赴任地も決まっていたとのことだった。

明るい将来が約束されていた中,その方は,海で岩から落ちて亡くなられたとのことだった。

「命さえあれば,何とかなるから。」
親戚は,そう言って締めくくった。

自分はまだ,元気だし,若いし,いろいろなことに挑戦できる。ここでへこたれてはだめだ。

1年なんて,大したことない,

そう思えてきた。

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